お話の会をされている方達から、「年々子ども達が素話を聞けなくなっている」と伺ったことがあります。
耳で聞いただけでは、イメージできなかったり理解できなかったりするから、昔なら子ども達が大笑いしていた落語でもオチが分からずきょとんとしているとか。
現代は視覚に訴えるものが多い
確かにテレビを見ていても、子どもは体や表情を使った表現に敏感に反応しています。
私は親になり、教育テレビのお兄さんお姉さんが挨拶を面白おかしく言ったり、変顔をしているのを見たときは驚きました!が子ども達は大ウケ。
自分の気持ちを体全体で表現する、などの意図があるのかなぁとも思いましたが、そうしないと子どもたちが興味を持ちにくいという理由もあるような気がしてなりません。
理解しやすいようにパソコンやタブレットで動画を見せる、という学習方法も多くなってきましたよね。
理解が深まる手段の1つとしては上手く使っていきたいなと思いますが、視覚で理解することだけに偏ると、冒頭の話のように耳で理解しづらい子になってしまいます。親としてはどんな場でもきちんと理解できる子になってほしい。視覚的な情報が多い現代だからこそ、意識的に聴覚からの理解につながることは大事にしていく必要がありそうです。
耳で聞いて理解するために
勤めていた幼稚園では3歳児では話をしたり知らせたりする時には主に絵を使います。
まさに視覚的にも伝わるようにするためです。
4歳児になってくると、言葉だけで伝えることも多くなってきます。けれど短い内容で、例えば持ち物の指示も1、2個までです。
5歳児になり就学前になると、あえて複数の指示を出したり、素話を取り入れて、聞いて理解する経験を意図的に増やしていきます。
もちろん園によって方針は様々ですが、就学前に「話が聞けるように」という目標を立てることは多いはずです。
家でできること
では家ではどんなことができるでしょうか?
個人差もありますが4歳頃までは視覚的な要素と合わせて聴覚的な理解力を促すには、やはり絵本の読み聞かせがいいと思います。
たくさん絵本を読むと、言い回しを知ったり語彙が増えます。この力が後々の理解力に繋がっていきます。
5、6歳になったら家でも素話をしてみましょう。
もちろん親が覚えている話を子どもを見つめながら話すといいのですが、そんなの無理!と言う人も多いハズ。
私も毎日そんなハードルが高いことは続かない!・・・ということで、短編集のようなお話を一話ずつ読んだり、長編のお話を毎日少しずつ読んでいくのがいいかなと思います。
本屋さんにいけば1冊にたくさんのお話が入った本が出ています。
個人的には、短編集は挿絵しかなく言葉も簡略されていることも多いので、絵本の読み聞かせを始める頃には不向きだと思っていますが、耳から聞いて理解する段階の導入としてはぴったりだと思います。
長編のお話。例えばメジャーなところでは「エルマーの冒険」
読む前に「昨日はどうなったんだったかな?」「誰に会ったんだっけ?」と前日までの話を思い出してから読むようにすると、今日の話がより理解しやすくなります。
そしてお話以外ではなぞなぞもオススメ!!
ちょっとしたスキマ時間にできるオススメはなぞなぞ。なぞなぞは言葉をしっかり聞いてイメージを膨らませる遊びなので、聞いて考えることが自然と身につきます。
学校でも社会でも、土台となるものの1つは話を聞く力や理解する力。
土台づくりと言われる幼児期だからこそ、親の余裕があるときには少し意識してみるのもいいかもしれませんね♪